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秀栄さんの話 ー 1

 一昨年の今頃だったか・・・。暑い盛りの頃だった。

 すこし前に植木の西瓜を届けたばっかりだったのに 突然「秀栄さんが亡くなった」との連絡が入った。

熱中夜が続いた とても暑い頃だった。

 長く福岡教室に通い みんなの面倒も見てとても明るい秀栄さんだったが、ある時から体調を崩されて福岡教室もお休みされる様になっていた。その為 暫くの間お会いすることもなかったのだが、「八代おざや節大会」の帰り道「よし!今日は三号線を通って秀栄さんに会いに行こう」と思い立ち、晩白柚の土産を引っ提げて久しぶりに立ち寄った。・・何年振りだったろう・。

秀栄さんは 私の突然の訪問にも大変喜んで下さり 暫くの間 懐かしい話に花が咲いた。

 それから私は、時折 立ち寄る様に心掛けた。

そしたらその年の暮れに 秀栄さんから「お正月には 植木温泉に行くからあなたもいらっしゃい」と誘われ とうとう私は元旦から 植木温泉でゆっくさせて頂く事になった。生まれて初めての事である。